二所ノ関一門の最新勢力図|所属部屋一覧と稀勢の里・大の里躍進の全貌
大相撲の長い歴史において、土俵内外で常に変革とドラマの中心にあり続けたのが二所ノ関一門です。日本相撲協会を構成する五大一門(出羽海、二所ノ関、時津風、高砂、伊勢ヶ濱)の中でも、伝統的な重厚さと革新的な育成手法をあわせ持ち、近年その存在感を一気に高めています。
特に、元横綱・稀勢の里である二所ノ関親方が茨城県阿見町に築いた近代的なトレーニング拠点と、そこから昭和以降最速のスピードで角界の頂点へと駆け上がった大の里の躍進は、大相撲界の勢力図を大きく塗り替えました。さらに、名門・佐渡ヶ嶽部屋の大関・琴櫻や田子ノ浦部屋の高安、鳴戸部屋の国際的な育成アプローチ、そして旧貴乃花グループの合流を経た親方衆の強固な結束など、現在の一門はまさに黄金期を迎えています。本稿では、最新の所属部屋一覧から歴史的背景、相撲協会内のパワーバランスまで、二所ノ関一門の全貌を徹底解説します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:二所ノ関一門は全16部屋を擁し、元稀勢の里の二所ノ関部屋や佐渡ヶ嶽部屋を筆頭に幕内・三役力士を多数輩出する角界屈指の巨大勢力。
- 要点2:茨城県阿見町での科学的アプローチによる大の里の急成長や、鳴戸親方(元琴欧洲)ら若手親方衆による「開かれた育成改革」が一門の躍進を牽引。
- 要点3:かつての激しい分裂劇や2018年の旧貴乃花一門合流を乗り越え、現在は協会理事選でもキャスティングボンドを握る強固な結束力を確立。
【2026年最新】二所ノ関一門の所属部屋一覧と勢力図の全貌
現在の大相撲界において、二所ノ関一門は出羽海一門と並ぶ最大級の勢力を誇っています。本家である二所ノ関部屋をはじめ、阿佐ヶ谷勢(旧鳴戸・田子ノ浦系)、松戸の佐渡ヶ嶽部屋、さらには旧貴乃花グループから合流した錣山部屋や阿武松部屋など、多彩なバックグラウンドを持つ部屋が結集しています。
報道各社の取材データおよび日本相撲協会の最新公式記録をもとに、二所ノ関一門に所属する主要部屋の体制と特徴を以下の比較表にまとめました。
| 部屋名 | 師匠(最高位) / 所在地 | 主な関取・所属力士 | 編集部の見解・勢力評価 |
|---|---|---|---|
| 二所ノ関部屋 | 二所ノ関(第72代横綱・稀勢の里) 茨城県稲敷郡阿見町 | 大の里、白熊、高橋(白鷹山)ほか | 一門の象徴的中枢。最先端の施設と科学的指導で角界のトップランナーへ急成長。 |
| 佐渡ヶ嶽部屋 | 佐渡ヶ嶽(元関脇・琴ノ若) 千葉県松戸市 | 琴櫻(大関)、琴勝峰、琴栄峰 | 一門随一の名門。大関・琴櫻を筆頭に「琴」の伝統を受け継ぐ屈指の戦力層。 |
| 田子ノ浦部屋 | 田子ノ浦(元前頭8・隆の鶴) 東京都江戸川区 | 高安 | 稀勢の里の兄弟子筋。長年土俵を牽引する大関経験者・高安の存在感が絶大。 |
| 鳴戸部屋 | 鳴戸(元大関・琴欧洲) 東京都墨田区 | 欧勝馬、欧勝海 | 欧州出身親方ならではの合理的メソッドと国際スカウティングで有望株が急増中。 |
| 高田川部屋 | 高田川(元関脇・安芸乃島) 東京都江東区 | 竜電、湘南乃海、白鷹山 | 厳しい稽古で知られる実力派集団。幕内中堅・上位に常に力士を送り込む。 |
| 錣山部屋 | 錣山(元小結・豊真将) 東京都江東区 | 阿炎 | 旧貴乃花グループから合流。先代(元寺尾)の魂を受け継ぎ、阿炎を中心に上位を脅かす。 |
| 大嶽部屋 | 大嶽(元十両4・大竜) 東京都江東区 | 王鵬 | 昭和の大横綱・大鵬の直系。大鵬の孫である王鵬の覚醒で上位定着を狙う。 |
| 片男波部屋 | 片男波(元関脇・玉春日) 東京都墨田区 | 玉鷲 | 鉄人・玉鷲を擁する名門。少人数精鋭で伝統的な押し相撲を徹底指導。 |
| 阿武松部屋 | 阿武松(元前頭12・大道) 千葉県習志野市 | 阿武剋、阿武咲 | 学生相撲出身の実力者が次々と台頭。旧貴乃花グループからの合流組として安定した基盤。 |
| 中村部屋 / 押尾川部屋 | 中村(元関脇・嘉風) 押尾川(元関脇・豪風) | 友風、嘉陽、若手新鋭力士 | 二所ノ関親方とともに新風を吹き込む新設部屋。現代的なデータ分析と指導法が特色。 |
上記以外にも、湊部屋(師匠:元湊富士)、芝田山部屋(師匠:元横綱・大乃国)、西岩部屋(師匠:元関脇・若の里)などが所属しており、合計16部屋が二所ノ関一門の強固なネットワークを形成しています。

元稀勢の里が巻き起こす育成革命|茨城県阿見町の近代施設と大の里の快進撃
二所ノ関一門が現代の相撲界で最大の注目を集める契機となったのは、間違いなく元横綱・稀勢の里(二所ノ関親方)の独立と育成改革です。
親方は現役引退後、早稲田大学大学院スポーツ科学研究科で修士号を取得。「相撲部屋の伝統的な徒弟制度と近代スポーツ科学の融合」をテーマに掲げ、2022年に茨城県稲敷郡阿見町に広大な新部屋を開設しました。
【二所ノ関部屋・阿見町拠点の革新的特徴】
- 約6,000平方メートルの広大な敷地:土俵2面を並列配置し、力士全員が待ち時間なく効率的に稽古可能。
- 本格トレーニング機器の完備:体幹強化やウエイトトレーニング、可動域改善のための専門ジムを併設。
- プライバシーとメンタルヘルス配慮:大部屋中心の慣習を見直し、個室や2人部屋を導入して力士の心理的ストレスを低減。
- 地域社会への開放:カフェスペースの設置やファン見学エリアの整備など、開かれた部屋運営を実践。
この環境下で驚異的な成長を遂げたのが、日本体育大学出身の大の里です。2023年5月場所の初土俵(幕下10枚目格付け出し)から、わずか数場所で十両を通過。新入幕から快進撃を続け、初土俵から昭和以降最速ペースでの幕内最高優勝を達成しました。
大相撲担当記者の現場証言によると、「大の里の強さは恵まれた体格(192cm、180kg超)だけでなく、二所ノ関親方が徹底させた『立ち合いの踏み込み角度』と『右差しの精度』にある」と分析されています。旧来の「見て覚えろ」という指導から、ハイスピードカメラによる映像フィードバックや運動力学に基づいた言語化指導へと転換したことが、大の里という怪物を生み出す原動力となりました。
看板力士が牽引する本場所の熱気|琴櫻・高安・鳴戸部屋の若手育成
二所ノ関一門の強みは、二所ノ関部屋の一強体制ではなく、各部屋が独自の強烈な個性を放ちながら土俵を盛り上げている点にあります。
佐渡ヶ嶽部屋:大関・琴櫻が示す「名門の矜持」
一門の屋台骨として長年君臨するのが佐渡ヶ嶽部屋です。先代師匠(元横綱・初代琴櫻)から受け継がれた「立ち合いの厳しさと力強い寄り」を武器に、現師匠の長男である琴櫻(元琴ノ若)が大関へと昇進しました。看板力士としての安定した取り口と、大相撲の伝統を体現する礼節ある振る舞いは、一門全体の精神的支柱となっています。
田子ノ浦部屋:大関経験者・高安の圧倒的存在感
稀勢の里と同門で切磋琢磨してきたベテラン・高安は、度重なる怪我を乗り越えながらも、強烈な立ち合いの圧力と小手投げで幕内上位を常に脅かしています。土俵で見せる鬼気迫る相撲は、若い力士たちにとって生きた教科書となっており、一門の稽古総見などでも若手に対する高い壁として立ちはだかっています。
鳴戸部屋&新鋭部屋:デジタルと国際化の融合
ブルガリア出身の元大関・琴欧洲が率いる鳴戸部屋は、欧勝馬や欧勝海など多彩なバックグラウンドを持つ力士を育成。栄養管理アプリを活用した食事指導や、ヨーロッパのレスリング理論を取り入れた柔軟性トレーニングなど、独自のメソッドで着実に十両・幕内力士を送り出しています。また、元嘉風の中村部屋や元豪風の押尾川部屋も独立を果たし、きめ細やかな指導で新風を巻き起こしています。

激動の歴史と分裂劇の真実|旧貴乃花一門合流の舞台裏と歴代横綱の系譜
二所ノ関一門の歴史は、栄光に満ちた大横綱の系譜であると同時に、激しい派閥抗争と分裂、そして劇的な再編の歴史でもあります。
歴代横綱に見る「不倒の血統」
二所ノ関一門のルーツを辿ると、昭和の大横綱・玉錦から始まり、空前絶後の69連勝を記録した双葉山、昭和の大英雄大鵬、学生相撲出身初の横綱輪島、昭和50年代から平成初期を彩った若乃花・貴乃花兄弟(旧二子山部屋)、そして平成最後の和製横綱稀勢の里に至るまで、相撲史を代表する巨星が名を連ねています。
「阿佐ヶ谷勢」と「押尾川の乱」による分裂の過去
しかし、その道程は決して平坦ではありませんでした。昭和後期には名跡継承や部屋付き親方の独立を巡り、押尾川部屋の分派独立騒動(いわゆる押尾川の乱)が勃発。また、若乃花・貴乃花を擁した二子山部屋を中心とする「阿佐ヶ谷勢」の台頭により、一門内での主導権争いが激化しました。一時は一門の求心力が低下し、複数のグループに事実上分断される冬の時代を経験しています。
旧貴乃花一門の解散と2018年の歴史的合流
一門の力関係を決定的に変えたのが、2018年に起きた日本相撲協会の改革騒動と旧貴乃花一門の解散です。
当時、日本相撲協会は「すべての部屋はいずれかの五大一門に所属しなければならない」という方針を決定。これにより、貴乃花親方の退職に伴って無所属となっていた阿武松部屋、錣山部屋、大嶽部屋、湊部屋などの旧貴乃花グループの親方衆が、歴史的経緯と人間関係の深かった二所ノ関一門への合流を選択しました。
ネット上や一部週刊誌では「親方衆の確執が再燃するのではないか」と懸念されたものの、現場では元寺尾の錣山親方や阿武松親方、そして若手親方衆が誠実にコミュニケーションを重ね、現在では完全に一体化した組織として機能しています。この合流によって二所ノ関一門は一挙に大所帯となり、角界のパワーバランスを大きく塗り替えました。
【実態検証】相撲協会理事選における勢力均衡と親方衆のパワーバランス
日本相撲協会の最高意思決定機関である理事会において、二所ノ関一門は極めて強力な発言力を持っています。
2年に1度行われる日本相撲協会の理事選挙は、全親方(年寄)の投票によって定員10名の理事が選出されます。二所ノ関一門は所属親方の持ち票数が多く、常に2〜3名の理事当選枠を確実に確保できる計算になります。
かつては年功序列や長老親方の意向が絶対視されていた理事候補の選出ですが、近年の一門内では顕著な地殻変動が起きています。伝統的な重鎮親方だけでなく、現役時代の実績と経営感覚に優れた芝田山親方(元横綱・大乃国)、佐渡ヶ嶽親方、高田川親方、そして将来的な理事長候補として期待を集める二所ノ関親方(元稀勢の里)など、実力派が協会の要職を占めるようになっています。
内部関係者の証言によると、「今の一門会は、旧来の派閥争いに終始するのではなく、相撲協会の公益法人としてのガバナンス強化や、ファン獲得のためのデジタルマーケティングなど、角界全体の発展を見据えた建設的な議論が行われている」と評価されています。

【プロの結論】伝統と革新のハイブリッドが生む「令和相撲界」の構造的強み
相撲界における「一門」とは、単なる選挙の互助会ではありません。稽古の相互乗り入れ、若手の合同巡業、冠婚葬祭の助け合いなど、閉鎖的になりがちな相撲部屋のクオリティを担保するセーフティネットとしての機能を果たしてきました。
組織社会学およびスポーツビジネスの観点から二所ノ関一門を分析すると、以下の3点において他の追随を許さない構造的強みを持っています。
- 心理的安全性を確保した近代型マネジメント: 理不尽な上下関係を排し、科学的トレーニングと個人の尊厳を尊重する二所ノ関部屋や鳴戸部屋のスタイルは、Z世代の若手力士の離職率(引退率)を劇的に低下させています。
- 名門と新鋭のハイブリッド構造: 佐渡ヶ嶽部屋のような数十年続く名門のブランド力と、阿見町の新設部屋が持つベンチャー的スピード感が一門内で共存し、健全なライバル関係を生んでいます。
- オープンな育成環境の創出: 出稽古の積極的な受け入れや大学相撲界との密接なパイプにより、全国から優秀なアマチュアエリートが自然と集まるエコシステムが完成しています。
【入門希望者・ファンの視点:二所ノ関一門が向いている人・そうでない人】
- 向いている人:科学的トレーニングで効率よく強くなりたい学生相撲経験者、清潔で近代的な住環境を重視する力士志望者、伝統と革新の両面から相撲を楽しみたいファン。
- 慎重になるべき人:都心部のアクセスの良さを最優先したい入門希望者(阿見町や松戸など都外拠点も多いため)、昔ながらのスパルタ式大部屋生活のみに価値を感じる旧来の価値観を持つ人。
【二所ノ関一門】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:二所ノ関一門には現在いくつの相撲部屋が所属していますか?
A1:2026年現在、二所ノ関部屋、佐渡ヶ嶽部屋、田子ノ浦部屋、高田川部屋、鳴戸部屋、錣山部屋、大嶽部屋、片男波部屋、阿武松部屋、湊部屋、芝田山部屋、西岩部屋、押尾川部屋、中村部屋など、全16部屋が所属しています。日本相撲協会の五大一門の中でも最大級のスケールを誇ります。
Q2:なぜ元稀勢の里の二所ノ関部屋は都内ではなく茨城県阿見町にあるのですか?
A2:二所ノ関親方自身の出身地(茨城県牛久市出身)に近いこと、そして土俵2面やトレーニングジム、カフェなどを備えた約6,000平方メートルの広大な敷地を確保し、力士にとってストレスの少ない近代的な育成環境をゼロから構築するためです。
Q3:旧貴乃花一門の部屋が二所ノ関一門に合流した理由は何ですか?
A3:2018年に貴乃花親方が日本相撲協会を退職し、旧貴乃花一門が解散となった際、相撲協会の「無所属部屋をなくし、いずれかの五大一門に所属する」という決定に従い、歴史的に関係が深く、思想的にも近かった二所ノ関一門へと錣山部屋や阿武松部屋などが正式に合流しました。
Q4:大の里はなぜこれほど短期間で大相撲のトップへ駆け上がれたのですか?
A4:大学相撲で培った高い基礎能力に加え、二所ノ関部屋の徹底したフィジカルトレーニング、ハイスピードカメラによる動作解析、そして二所ノ関親方(元稀勢の里)の論理的な技術指導が完璧に合致したためです。
まとめ:進化を続ける二所ノ関一門が切り拓く大相撲の未来
二所ノ関一門は、玉錦や双葉山、大鵬、貴乃花といった歴史的大横綱たちが築き上げてきた誇り高き伝統を受け継ぎながら、元稀勢の里率いる二所ノ関部屋の近代化改革によって、令和の大相撲界におけるトップランナーとしての地位を確立しました。
大の里の歴史的快挙、大関・琴櫻の安定した強さ、高安の不屈の闘志、そして鳴戸部屋をはじめとする新鋭部屋の挑戦──。一門に所属する力士と親方衆が互いに刺激し合うことで生まれる熱気は、大相撲という国技が次の100年へと力強く前進するための最大の原動力となっています。本場所の土俵はもちろん、日本相撲協会の改革を主導する二所ノ関一門の動向から、今後も目が離せません。 (出典: 二 所 ノ 関 一門(Yahoo!ニュース))